商品とお金
財と価値
この記事では商品の世界の経済学を明らかにします。
人間が財産を使って取引をするのは、欲望を満たすためです。
一口に欲望と言っても、個人の心の世界のように考えるかもしれませんが、
欲望は純粋に精神世界だけでは解決しません。
人は
- 自然環境
- 社会環境
- 精神環境
の3つのゾーンに属して生活しなければならないわけです。
つまり、欲望(ウォント)とは、自然環境、社会環境、精神環境を維持したり向上させてゆこうとする上での必要なもの(ニード)が足りていないい状態です。
こうした一定の欲望を満足させようとする場合、財産は生活に役立てようとする人にとって道具的意義を持つことになります。これを価値と呼ぶことにするとします。
そしてその価値というものは社会環境や自然環境によって決定づけられています。
商品とお金
個人が財産を交換するようになると、もはや自分の欲望を満たすような特定の財産を直接的に確保しなくても、誰かと交換すれば良いので、全部自前でそろえる必要はありません。
この場合の財産を商品と呼ぶことにします。
商品には
- 交換価値(交換の役に立つ)
- 使用価値(それを使うことで役に立つ=欲望が満たされる)
という特徴があります。
財産がひとたび対外的に商品として認識されると、そのコミュニティの中ならどこにいっても商品として認識されるようになります。
そして商品の交換は取引をたくさんやっていると規則性が生まれることになります。
つまり商品の交換をするときは、相手がほしいだろうものと自分がほしいだろうものを配慮しながら交換するマナーのようなものができあがります。
商品によってはそのコミュニティで、皆が交換したいと思うような商品がでてきます。
農耕経済でしたら穀物や羊や牛などのようなものです。このような商品を売却力の大きな商品と呼ぶことにします。
交換によって自分の欲望を充足したいと思う人は、とりあえず自分の欲望を満たすことはできないけれども売却力の大きい商品を手に入れようとします。この売却力の大きい商品がどこにいっても通用するものがでてきます、それを貨幣といいます。金や銀などの貴金属などはその意味で商品でありながら貨幣の性質もあるため商品貨幣といいます。
ですので、貨幣を持つことは
- 価値を測るための手段になる機能
- 社会的にみて妥当な評価の仕方になる機能=社会的な価値基準になる
- 価値を貯蓄することができる機能
ということになります。
貨幣が社会的威力を発揮すると
貨幣は人々の行為をある特定の形態に組織する考え方の基準になります。
つまり人の行動はパターン化されるのです。